fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

きっと

袋小路の木村多江がよい。
泣けてくる。

salyuの共鳴もやっぱり袋小路でよい。
VALON-1も醸し出す袋小路さ加減を隠しきれないところがよい。

袋小路の人たちの袋小路な物語がほしい。
映画とかドラマとか本とか音楽とか。

今そういうのないのかしら。
そういう時代じゃないのかしら。
そういうのはだめなのかしら。

会社の人に励まされて、泣きそうになってしまった。

夢に上野くんが出てきたけど、デブでハゲてた。
でも確かに上野くんだった。
私が知る上野くんの22年後の姿だったけど、それでも切なかったり嬉かったりで、泣きそうになってしまった。

オトコが「なんか疲れた、何もかもうまくいかない。仕事も子供も、はぁ」と電話口で言うので「ふーん、大変だねぇ」と言っておいた。

仕事はただただ要領が悪いだけだし、子供はあたまがクルクルパーなんだからもうあきらめればいいだけだし、どうせあたしがやさしく包み込むような言葉のひとつも言ってくれないということも「うまくいかない」ということのひとつなんだろうし、つか「うまくいってくれない」でしょ、本音は。自分はちっとも悪くないのに、がんばってるのに、って。だから「疲れた」ってわけですよね。世界が俺の言うとおりに回ってくれないから。

とは言わない。めんどくさいことになるので。

とにかく、ずっと泣きたかったらしい。
考えた挙句の行き先が、ベランダしか思い浮かびませんでしたと夫の暴力を受け止める、袋小路の極みの木村多江さまを見たら、一気に1日分、泣いてしまいました。

今のオトコとつきあってなければ、DVから抜け出せない女の姿など「ばかじゃね」の一言で片付けていたことでしょう。そういう意味で、無駄ではなかったのかこの空しい恋愛ごっこは。

salyuの声なんか聴いているからか、お金がないからか、お腹が空いているからか、未だにタオルケット2枚でやり過ごさねばならない就寝時間が近づいたせいか、泣けて泣けて仕方がないのであります。