fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

木曜日から多分月曜日までのこと

 「奥さん。
 やっぱ欲望って偉大よ。
 生きる上でね。

 あれがあるからその時だけは迷いなく生きてられるから楽なのよ。
 夢中になれるってそういうことよ。

 欲望なくなったら何するにも根拠がなくなるのよ。

 そしたら人生味気なくなる。
 だから生きるのシンドくなるのよ」

最近あまりみてなかったんだけど、どうでしょう日記。たまに身につまされること書いてあったりすると、ジーンとしていたのは昔の話で、今ではイラっとさせられる。

なくなった欲望を取り戻すにはどうしたらいいんだ。
欲望がなくなったらじゃあ生ける屍ってことか。
言われなくても知ってるよ。
でも会ったこともないおっさんには言われたかぁねんだよ。

金曜日に美容院を行こうとしたんだが、やめたんだ。
木曜日に酒を飲んでしまったから。
だから土曜日に美容院に行って、日曜日に部屋の掃除をしよう、と。
この連休こそは何もないで終わらせるのはやめようと、心に誓ったのだった。

しかし思いのほか、木曜日の酒が、まるまる金曜日残ってしまい、うだうだしていたら、土曜日の美容院さえめんどくなってきて、キャンセル。
そこからは、なし崩し的にだめになったというか、通常営業となった。
土曜日の美容院をキャンセルしたすぐ後、土曜日の夜にショータの舞台あるから一緒に来てください、って知人から誘いを受けたのだけど、美容院もキャンセルしちゃったし、なんもかもグダグダのタイミングでめんどくなったので、こちらもキャンセル。

結局やらないくせに、何かをやろうなんて思い立つと、やらなきゃやらなきゃって独り言に苛まれるだけだから、もう、何かしようとすることをやめました。

で、ショータって誰って話だけど、笑点のショータだ。
あれのおっかけをやってるコがいるのだ。
こういう人もいるから、だから世界は周っているのかもしれない。
その子が、結局、ひとりで、舞台に行って、楽しかったよーって、2ショの写メを送りつけてきて、異常に楽しそうで、やっぱり行けばよかったって後悔してみたら、実は月曜日もあるから来ないかと言われて、いやそれもそれで実際めんどくさくて、キャンセル。

このように私からは知り合いさえ遠のいてゆくのだ、この瞬間にも。

そいでもって、その2ショの写真はここにアップしたいほど幸せに満ち溢れていた。
あたしもおととしくらいまではそんなようなことをやっていたような気がする。
今では他人ごとのような懐かしき日々。
なんて幸せで、なんて阿呆だった日々。
周りの人はさぞかし呆れて、私はさぞかし気の毒な人に映っていたことだろう。
それでも、他人からはなんと思われようと、何かにまっしぐらに無謀に勘違いできている間は、とても心豊かだから、私はそれをよく知っているから、うらやましい。

全力の空回りだとしても、その間だけ、世界はとても美しい。
紫外線の塊でしかない光も、湿った生暖かい突風も、埃の混じった草の臭いも、全て、美しいと。

木曜の夜に氷結を飲んでしまったあの時点で全ての予定は狂ったんだ、と大失敗した気になっていたけど、まぁ、いまいま始まったことじゃねーか。