fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

ひきのばされた袋小路

という言葉が「羊をめぐる冒険・上」にある。

「ヒキノバサレタフクロコウジ」

なんども口の中で繰り返すと眠りたくなってくる。
正確には、寝転びたくなってくる。

日曜日に美容院の予約を入れてしまった。
金もないのになんでか。
それは白髪がたくさんあるからです。
10月から労働するから身奇麗にしなくてはいけないからです。
と、誰かに言われたから。

女子はめんどいな。
あのNHKのアナウンサーみたいに突然白髪が不自然な増え方をしても、
どこ吹く風でニュースを読んでいられたらいいのに。

前髪を作ろうか。でもそんなことしたら、鳩山婦人とおんなじ髪型になってしまう。
髪質まで髪の色まで、あの勘違いっぷりまで、なんだかおんなじになってしまう。
テレビを見るたびがっかりだ。あたしはなんてがっかりマンなんだろう。

別にどうでもいいか。
あたしだってどこ吹く風を吹かせればいいのだが、まだなんか残っているのでしょう。
なんか、しぶとく、体のどこかに、カスみたいな、なんかが。

「もちろん誰にだって欠陥はある。しかし僕の最大の欠陥は僕の欠陥が年を追うごとにどんどん大きくなっていくことにある。―中略―そんな風にして、そんな欠陥を抱え込んだまま、人間は生きていけるんだろうか?もちろん生きていける。結局のところ、それが問題なんだね。」

というのもあって、何度もこれを読み返していると、やっぱり寝転びたくなる。
それから目を瞑ってしまおう。そうしよう。