fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

愛の風景

 イライラした母親はもの分りの悪い息子の手を引っ張って
 もう何個も持ってるでしょ!?と おもちゃ屋の前で声を上げている
 欲しがっているのはおもちゃじゃなく愛情で
 拒んでるのも「我慢」を教えるための愛情で
 人目も気にせず泣いて怒って その親子は愛し合っているんだ

なっ。絶句。
どんだけ幸せボケなんだよ、どんだけ悟ったんだよ、どんだけ一周廻ったんだよ。

電車ん中でこんな風景に出くわそうものなら、そらうるさいだけで、こっちが苛立つ。
家でやれよ。迷惑。まずおまえがうるさい母親。みっともない。
あたしが親なら、置き去り捨て子にするね、こんなキカン奴は。

というのが関の山。

けれども、このような思考にしておくと、会社の殺伐とした風景もこれなんと穏やかか。

他部署のブー女とふりーんしているキモキモおっさんと
この会社だけしか知らず、気づけば10年派遣をやってる非常に扱いにくい女子が
言い争っていた。

「そもそもこの前あなたが勝手にやったなんたらかんたらが・・・」
「あのことを持ち出されるんですか?では言わせてもらいますがあんたらかんたら・・・」

エキサイティング。あたしが歯を磨いて帰ってきてもまだやっとった。
最長記録。世界新。金メダル。あほくさ。きみたちひまか。
と、その時、この歌が流れてきたのであります。

あーそうか、この人たちは、言い争って、実のところわかり合いたいんだねと。
どれだけおっさんが怒っているかを、どれだけ女子が理不尽さを感じているかを、
お互いが相手にわかって欲しいんだと。

愛し合っているのか、この2人は。

と、言うことは、
どんなに怒りや不満が爆発しそうになっても、
めんどくさ、とヘラヘラうなずくとも無視するともつかないリアクションをとり続ける私は、
誰のことも愛してないし、誰からも愛されたくないと。
こんだけ、さみしいさみしいと不安や孤独をブログではき出してるわりに。

桜井さんはいろんなことを気づかせてくれる。
良くも悪くも。
最近後者多し。