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everywhere I'll go

我は高等遊民也

おもしろい。

ブコメは好きじゃない。
日本ドラマに限らず、ハリウッド映画でも、メグライアンって字を見るとそれだけで素通り。

「ユーモア」だけは万国共通ではない気がするということ、そこにラブがついたら、もうなんかこっぱずかしいを通り越し気持ち悪い、おぞましい、いい歳ぶっこいたおっさんおばさんが何ちんたらやってんねん、耐えられない。

だから、あの古沢良太が、「ラブコメのドラマを書いた」と聞いたときは、あー見ないなと思っていた。
それに長谷川と杏って、ぱっとしない。嫌いじゃないけど、なんか、薄い。

それでもあの時間、かつて、月9なんてもてはやされてたあの時間、実はまったく、点けておくだけ、にもならない番組しかいないことを最近気づいた。
だもんで、仕方なく、「デート」を点けておいた。偶然初回であー初回なんだと。

これが、まぁ、おもしろい。
「恋愛に臆病になったおっさんおばさんが衝突しながら結局くっつく」とかいうんじゃない。
恋愛不適合者、どころではない、社会からはきっと「人間失格by太宰治」な二人が、恋以前に、人とかかわり合うところから、のっけから悪戦苦闘している。
それが滑稽で哀しくて健気で可笑しい。

二人から子供じみた身も蓋もない台詞を連射されるたび、馬鹿じゃないのと、何をいまさらもうと、それはそれは呆れることばかりなのに、誰もが軽々とやっていることを一生懸命にやっている二人を見ていると、妙に納得して共感してしまう。

これまでいわゆる恋愛ドラマには日の目を見ることのない人間が主人公に借り出されている。
だから共感してしまうのかもしれない。だってテレビを見ている大半の人は、少なくとも私は、どっぷり、この二人寄りの人間だものだもの。

矢継ぎ早に繰り出される台詞はユーモアと哀しさが混ざり合って、少しも聞き逃したくはない。ノベライズが欲しいくらい。

おもしろいドラマです。