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「インターステラー」を観た

重要なのは久しぶりに映画を一人で観たということ。
あぁいい映画ほど一人で観るべきだ。

クリストファーノーランは天才過ぎて狂っていると思う。
インセプションを観たとき、もうこの人紙一重のところを行ったり来たりしてるよと恐ろしくさえなったものだ。
メメントからして斬新を通り越して衝撃的、もう、狂ってた。

インターステラーももれなく天才っぷり発揮しすぎて、クリストファーノーラン映画あるあるの「あ、あたしもしかしてバカなのかもしれない」感が満載である。
けれど着いていけないわけではない。おいてけぼり感もない。
なぜなら、ノーランはバカな私たちに優しい。
薄らぼんやりとした相対性理論や物理学の先生たちの説明も、セリフでわかんなきゃ、これ、ほれ、というように、見せられる圧巻の映像。

宇宙の映画で圧巻?ゼログラヴィティ?
あれは宇宙がすごいんですね。

こっちは違うのね。あくまで「ノーランの脳内での宇宙」なのだ。
すごいのは宇宙だけではない。
砂埃、畑を疾走する車、海、氷の星、リンクしていく父と娘の今いる世界。

もう、泣けてしまった。設定うんぬん以前に、その素晴らしさに感動して泣けてしまった。

なんとなく日本の宣伝は「父と娘の物語」推しして、泣けるぜーみたいにしてますけどね、そんなスカスカな謳い文句やめてよ。映画を貶めないでよ。

この映画は、全て。エンターテイメントの全てが詰まっている。
1500円は安い。

4Dっていう映画館を始めるとか宣伝が流れてました。
飛び出すだけじゃなくて、風が吹いたり、水がかかったり、匂いや、椅子まで揺れたりするんですって。
ね、バカにしてんの、あたしたちを、いや、監督たち、バカにされてるわよあんたたち!

そんなの、やってもらったら、映画である意味、あるんですか。
そんなの、やってもらわなくても、砂埃が映れば咳き込みたくなったし、真っ暗な宇宙が映れば耳がキンとなるほどの静けさを感じられたし、無重力を、過重力を、息苦しさを、寒さを、ちゃんと今日、目一杯感じられましたから。
そういう映画でした。そういう映画を作ってほしいよ監督たちよ。
そして、それくらいの想像力、なくてどうするのよあたしたちよ。あるよね?できるよね?

ノーラン監督、どうか3Dとかやらないでほしい。
そして、また、紙一重を自慢げにばら撒くような映画を作っていってほしい。

エンドロールに「Christopher Nolan」の字を見るたび聴こえる。
「どうだ、これが映画だ!」
それを聴くたび、席で仰け反って、にやにやしてしまう。

もう一回観る。もったいないよ、観なきゃ。

ついていけないのは、上映ローテーション。
早いよ、1ヶ月くらいサラっとやってよ。