駅から家まで3件のセブンを通過する。
セブンに限定しなきゃプラス4件のコンビニがある。
歩いて10分強の間に7件のコンビニが乱立。へんてこな街だ。
ともかく、最初の3件のセブンでブロスが売り切れていた。
何故だ。まだ金曜日よ。いつもあるじゃん。
3件目でやっとこ見つけて、ガっと引き抜き、表紙を見て、合点がいく。
洋ちゃん。
あたしゃぁこの人が好きで4年前北海道に逃げ飛んだ。
いや他にも自主的島流しの刑にはいろいろ理由はあったわけだが。
ともかく、洋ちゃんが現れるところ、どこへでも、でっかいどうな北海道中を2年間追いかけまわり、
ひとり疲れ果て、ボロボロになって東京に逃げ帰ってきた。
わかったことは、世界のどこにいてもあたしはひたすら怠けることと逃げることだけを考える、
ただそれだけの人間だということだった。
それにしても変わらない、この人は。
「有名になった」ってだけで、あとは何一つ変わらない。だから今も好きだ。
もうサンデーでむやみに妄想恋愛話なんて出来なくなってしまったかもしれないけど。
来週のはずだった面接が流れた。
いよいよ年齢が転職を阻み始める。何連敗中だ。こんなのお初だ。
今のおかしな会社で腹をくくるしかないのか。まさかこんなところが墓場になるとは。
墓場があるだけましなのか。西新宿の大ガードじゃないだけいいのか。
まぁこの部屋もガード下と大差はないが。
八方塞り、四面楚歌、背水の陣をひしひしと感じた夜道、心底、きみに会いたくなってしまった。
悪い癖だ。
こんなふうになってしまったら大泉洋を見て笑うに限る。
こういう時のためにこういう人はこういう職業に就いてくれたのだ。
アフタースクール、来週水曜、観っぺ。
―あ、
「毎月1回、水曜日、会社の女のコだけでお食事会やってるの、来てね」
今日で最後だもんねーってあたしハイハイハーイと返事してもうた。
女のコじゃないので、っつて断るか。
ったくよぉ。