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everywhere I'll go

RSRのその後

録画を何度も見返している。
やっぱりよかったよねぇこのライブ。
「藤井風って何がいいの?」って言われたらこのライブ見せたらいい。
全ての魅力がこの50分にぎゅっと詰まっている。
会場にはガチ勢そんないなかったと思うから、ご新規様増えたのではないでしょうか。

いい人間でいたいもカラオケのくだりもこの前のソロライブで言ってたことだけど、やっぱり全体的に納得いかないことの比率が多いと良いことの印象は霞んでしまうものなのね。

全ての魅力。

カヴァーをすれば、知らない歌をたった1~2日でピアノアレンジを完璧にし(しかも何曲も)、歌唱は歌本来の真の意味を聴き手に伝え、ちゃんと藤井風節を残す。笑ったのはピアノの譜面台に歌詞カードがあったこと。いやどう考えても歌詞より音符の方が大変そうなんですけど?絶対音感ある人みんなこんなにすごいのか?

オリジナルの選曲もよかった。「帰ろう」は単なる名曲ではない。この歌の歌詞は藤井風の軸だと思う。本人はそのつもりはないだろうが、この歌詞を書いた人の「何なんw」「きらり」「まつり」だからこそ、それらの歌の根っこの部分が見えてくる。見ようと思えてくる。「帰ろう」がなければ、それらの歌は耳障りのいい、ただの流行り歌で素通りしていったと思う。だから初めましての多い中でこの歌は必須アイテムだと思う。

MCにも彼の良さが滲み出ていたと思う。愛されて育ってきたのだろうなという天然の魅力。虫をキャッチアンドリリースもそうだけど、最後のエアハグをナチュラルにやってのけるあたりなんざぁ、人たらしを超えてもはや神々しいとさえ。
歌声とは真逆の独り言のようなMCは、本人曰く「日本語が得意ではない」らしいが、かっこいいこと言ってるけどあんたそんなん言える人間か?と単に我に返って恥ずかしくなるのだと思う。だから英語でしゃべる。あまりに生々しい日本語より、なんだか記号やそれこそ歌のように流れる英語の方が言い易いのだろう。ただ、歌詞は日本語で書き続けて欲しい。切なる願い。

彼の音楽家としてのプライド、否、プライドっていうとエゴエゴしぃ。
言うなれば、音楽を生業とする者としての誠実さ、が垣間見える言葉があった。

「カラオケ!ただのカラオケ!!」

「まつり」をスタンドマイクで歌い始める直前、さらっと言った言葉。
これおもろいと毎回笑ってしまうのだが、待てよと。
聴いているか?昨今のミュージシャンたちよ。あんたらテレビで堂々と大手を振ってカラオケしてるだけなんやで。カラオケですまんくらいの姿勢を忘れる勿れと。少しでもまともさが残っているミュージシャンならグサリときたのではなかろうか。きてくれよ。

そして単なるカラオケでは終わらせんでぇと言わんばかりの圧巻の歌唱力で幕。

謙虚だが卑屈ではない。誠実だがおしつけがましくない。仙人のような言動でも天井人とは感じさせない。
間違いなく、あの歌は、彼自信の延長線上に生まれた曲なのだと実感できる50分だった。
天性の才能と言われているが、実は挫折や傷を負いながら努力して今があるのでは?この先、例えば5年後、10年後、どんな風に歌が変わっていくのだろう?もっと歌を聴きたい、と期待値が膨らむばかりのライブとなったのではないでしょうか。

語ったわ。語りつくしたわ。藤井風考察YouTuberやろうかな。おばちゃん多いよね。

この長文に見合うだけの音楽家藤井風であれ!と願うばかりです。