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everywhere I'll go

朝井リョウ

わたしはこの人の本を1文字も読んだことがない。
だいたい「ゆとり世代の代弁者」みたいな売り方されたらそれだけで手にすら取らないわな。
けれど作品はいいかもしれない。読んだら良かったかもしれない。
でも一生読むことはないと、今日テレビで彼を見て思った。

深夜に又吉とジャニーズの加藤シゲアキ、それとこの人3人で対談をしていた。
とにかくこの人、恐ろしくおしゃべりだ。

彼は一番若いし、彼がゲストで、2人がホストという体だったからだろう。
だったからかもしれないということを加味しても、しゃべりすぎだ。

いや別に、作家は、ミュージシャンは、画家は、しゃべるな、作品でだけしゃべれ、なんて言わない。
しゃべりたくないならテレビ出るなと思うだろうし。
ではなく、この人のしゃべりは、とにかく面白くないを通り越して、苛立たしいというか、不快というか、もう、端的に言うと、馬鹿みたいだった。

具体的に挙げると、たとえば美容院が嫌いだという話をしだす。
「髪を拭くって母親くらいの愛情があることだと思う」と
「だからそれと同じくらいに罵って欲しい」と
「僕は働いてるのにあなたは身支度整えていいですねくらい言って欲しい」と
そして加藤シゲアキが言う
「それって客として対価を払ってる時点で成立してますよね」
それに対して「いや、でもそれって違うじゃないですか」と、わけのわからない理由というか言い訳をあたふた付け加えていた。
加藤シゲアキに、1票。名前、覚えたぞ。嵐までしかジャニーズ名前覚えられなかったけど、きみのことは覚えたぞ。この番組で、加藤シゲアキさんの株は急上昇しましたおかげで。

とにかく終始「ぼくは、あなたたちと違って、日常のちょっとしたこともナナメ45度でみてるのさ」アピール。
付け焼刃で「変な人」をやろうとするから、もっともなことを言われると、とたんに理論ぶった口ぶりでつけくわえる。うすーい理論っぽいやつを。
わかったわかった、はいはいはい、すごいですね、おぼっちゃんあんたは変わってるよ、わかったよ、特別とくべつ、他のゆとりとは一線を画してらっしゃいますよ、と、言いたくなる。
だから、黙れ、少し黙ってくれ、と言いたくなる。

加えて、大概こういう人にありがち、人の話を全く聞いていない。
又吉がしゃべりだそうものなら、
「わかる!わかる!あーわかる!うれしいです、そうですよね、ぼくも・・・」と話し出すんだが、それ、さっき又吉が話してたことと違うやん、ぜんぜんわかってないやん、というシロモノ。
人の話の一番最後の言葉尻を繰り返し、同意した振りをして、とにかく自分、おれ、ぼく、の話に持っていくという使い古された手法でしゃべりまくる、朝まで生テレビのパネラーのおっさんたちと同じだった。

必死。「変人です」アピール、必死。

なんかあれみたいだ、わたしなんかからすると。
YouTubeで素人がおもしろ動画アップして、ン万回再生されて、俺って面白ことやってんぜ!スターだぜ!プロ市民だぜ!芸能人っぽいぜ!って人たち。
気持ち悪いわ。

そう、気持ち悪かったわ、朝井リョウ

読まない。残念ながら、いい作品だったかもしれないけど、読みません。