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又吉先生おすすめの中村先生

途中からアメトーーク見てみたら、又吉が「中村文則」を連呼している。
アメトーークみる人たちが中村文則を読み始めて、果たしてゴールできるんだろうか。

わたしは貧乏なので文庫本しか読んでませんが、今のところ中村文則の小説はハズレがない。

どの物語も主人公が抱えているものの主軸は「絶望」。
歴史にも、ドキュメントにもならない、同情なんて望まない、日常の絶望。
そこに、倦怠感、憂鬱、無力、空虚、殺伐、湿気、冷気、乾きが絡みついている。
けれど、物語の最後に、少しほどける。
他人からは、とてもほどけたようには思えない、むしろ、いっそう絡み具合が増しているように見える。
その主人公にしかわからない程度に、ひっそりと、ほどける。

だから中村文則を読み終えると、少し、清清しくなる。
おそらく中村文則自身からしたら「その読後感、狙ってたのと違う」と思われそうだが。
僅かでちっぽけな穏やかさや安心がやっと訪れた主人公の代わりに、泣きそうになってしまう。

ネットですすめてた「何もかも憂鬱な夜に」から読み始めクチだから、又吉先生には感謝しております。
「火花」文庫になったら買ったるわ。