歌番組を見て久しぶりに感動したので書く。
「バンプがMステに出る」と聴いたとき
「え、今さら、出ても別にあんた、いや、むしろ」と思った人は少なくないはず。
私はもちろんあの頃の歌しかしらない。
「天体観測」の頃だ。Jupiterしか持ってない。名盤だ。
その後はちらちらと、ネットでシングルを聴いて「へぇーいいんじゃない」くらいだった。
この前、バンプのチケット取れたから行かないかと誘われ、幕張に行った。
1枚しかアルバム持ってないしなぁと思いつつも、「チケット取れないバンドだしな」という物見遊山でいった。
一番後ろだったけれど、泣いてしまった。
ほぼわからない歌だったけど、泣いてしまった。
周りは若者だらけで、むすめむすこ世代とまではいわないが、おいっこめいっこくらいの世代ばかりだったけど、
泣いてしまった。
感動したのだ。ただただ感動したのだった。
これがバンドだ。
こんなバンドのライブは思い起こせばユニコーン以来じゃないかと気づいた。
Mr.Children?ミスチルはバンドじゃないですよ奥さん。
脱線した。
「天体観測」が出た頃、こういう感じのバンドが結構あった。
それを「Mr.Childrenチルドレンなバンド特集(当時の小泉チルドレンにかけたと思われる)」と揶揄したような音楽雑誌があって、
最初に挙げられていたのはバンプだった。
そういうことや、ビジュアル的にも、テレビに出ない感じも、
とにかく「天体観測」を20代で書いてることもひっくるめて、
俺らってぇアーティストじゃないですかぁって言っちゃう(実際は言ってない)気取ったクソ小生意気なイメージしかなかった。
嫉妬も込めて。
10年以上も経って、幕張のそのライブでとんでもない間違いだったと気づかされた。
クソ小生意気のカケラもなかった。
藤原のビジュアルもあってか、ちょっとしたMCでさえ覚束ない。
「お、おい、大丈夫か」と思うほど、素人みたいだった。
けれど、演奏し出すと、一点、ぶっとい音を出す。
今日来てくれたお客さんへ向けて一部歌詞を変えて唄う。
こっちはぐっときてしまう。
一貫して伝わってきたのは、
「音楽オタク」の自分の歌を認めてくれた目の前のファンたちへの感謝だった。
そういう想いでライブは満ち溢れていた。
CDの音より、ずっと男臭い。
ベース・ドラム・ギターがしっかり聴こえて、あぁこれがバンドのライブだよなと。
え、Mr.Childrenさんてそうじゃないの?当たり前でしょ?って?
だからねバンドじゃないんだって奥さん。
ベースの音聴こえた?
ドラムのやつってビジュアルほど難しいことしてなくない?
つか、ギターって線繋がってなかったんじゃね?
いいのいいの、とりあえず多分コバタケがなんやかや、やってくれたみたいだから。
これで丸く納まってるの。
また脱線したけれど。
今日のMステは、あの日幕張でみたライブをそのまま切り取ったようだった。
音楽しかできない兄ちゃんたちが嬉しそうに演奏して、
その音楽が大好きだというファンが嬉しそうに聴いて、
そのファンを見てさらに兄ちゃんたちが嬉しそうに奏でる。
楽しい。ただ楽しい。ただ感動する。
ライブってこういうものだよ。
いつ、どこであろうと、これが出来てプロなんだ。
知らない歌でも、端々に聴こえる歌詞にぐっときて、あぁこの人たちいい歌やるんだと。
よし、ちょっとCD買いに行こうと。
そのための音楽番組なんじゃないかと、だったじゃないかと。
桜井が
カバーアルバムでどうして好きなバンプの歌をやらないのかと訊かれたとき
「バンプの歌は藤原くんが唄わないと意味がない」というようなことを言ってた。
バンプのライブに行く理由を訊かれて「ただただ感動するんです」と言ってた。
呑気に余裕ぶっこいてそう言ってた桜井先輩はとうに追い抜かれていたと今日思い知った。
桜井の名誉のために言ってあげるけど
桜井和寿、あなたもそういう唄を、あなたが唄って初めて成立するような歌を作ってたんだよ。
今日のバンプを桜井が見ていたかどうか知らないが、
どうか何かを感じてくれたら、どうか我現状にふと気づいてくれたら、
と切に願うばかりです。
録画したW杯を見て復習してた、なんつったらまじぶっころす。