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「若者たち」を観た

「髪を切られすぎてウツってしまい先週まるまる会社をズルった」と言ったら、「何連休になるんだよ・・ひぃふぅみぃ、指が足りなくなったやんけ」と友達からメールが来た。

どれくらい切りすぎたかというと、女子プロレスラーとか、女子レスリング日本代表とか、田舎の女子バレーボール部。
とにかくガタイがいいのでそういうことになる。

あの写真を見せてどうしてこの長さになるんだこのやろう。
ウツウツウツウツ。

そういうわけで「若者たち」をついでにデスって発散したいと思います。

妻夫木、蒼井優満島ひかり瑛太
期待するなといわれても無理であります。

内容は貧しい兄弟が愛や恋やお金や将来や命やそういう社会のゴタゴタに立ち向かいながら賢明に、けれど出来る限り正直に生きていこうとする姿を描いたドラマ

と、言ったところか。
そうしたかったのかな。

なんとなく、あ、えーと、ひとつ屋根の下的な・・と過ぎるも、まぁまぁそれはそれ、
と見たっけ、結果、ひとつ屋根の下の下の下ですよ。

昔、よく見ていたドラマをいざ再放送で見てみたら、
「あらあら、ドラマという設定を加味してもありえない展開だったのね」
「あらあら、けっこーこっ恥ずかしいセリフだったんだね」
と苦笑いする感じ。あの感じ。あの、なんだか見てられない感じ。

いや、再放送なら、あらあらの苦笑いで済むよ。

なんなんだよ、今流行の俳優たちそろえての、この惨劇は。

始まって3分、開いた口が塞がらない。
朝食の場面、しょうもない言い争いが兄弟で始まると、そっと妹がちゃぶ台を脇へどかす。待ってましたと部屋の真ん中で兄弟が壮絶なプロレスの技の掛け合いを開始する。

ドリフかよ。

長男の彼女がデキちゃうし、次男は詐欺で捕まってるし、三男は就職蹴って崩壊寸前の劇団やってるし、長女は不倫看護師だし、四男は浪人中のくせに呑気に童貞がどうのこうの騒いでる。

完全にドキュン家族です。

作り話ですからあくまで、いいよ。ありえなくってもなんでも。
貧乏と嘆きながらタクシーで移動するわ、てんやものとってるわ。
プロレスのリングにあがってプロレスラーにぼっこぼこにやられて歌を唄いだすし。
てか完全にレスラー暴行罪で捕まるんじゃねーの。
いいよ、そんなシュールな場面があっても。

たださ、だったら、そんなに不幸満載の家族にしたならよ、一人ずつの話、もっと丁寧にやってよ。

長男のことでワーキャーゆってたら、長女の問題で急に号泣して全力疾走、と思ったら、病院で赤ちゃんが死んで命の大切さで泣いて、と思ったらまた長男のプロレススイッチオン、と思ったら次男の件でわちゃわちゃとなって、そしたら他人の家族のこといじって、と思ったらまた赤ちゃんが死んで、と思ったら、次男の件に戻って、さっきいじった家族の誰かが死んで、ところで10年前のことなんだけど、って。
何なの?ちょいちょい人が死ぬってところで思い出したように「はい、泣いて」みたいな。

そうそうたる役者使ったから、平均的にいじらなきゃ勿体無いし、あー泣かせないといけなし・・とやった結果、
誰一人の人物像、結局どういう人間で、どういう悲しみ抱え、どんな挫折にぶち当たっているのか、まったく入り込めない。

そもそも、兄弟全員がこんなに暑苦しい、こんなに熱血な人間ばかりって、脚本家と演出家、わかってる?
現代なんでしょ?
皆さん、これ現代なんですよーって、言い聞かせるみたいにしつこいくらいにスカイツリー画像を挿入してるってことは、
もう、それ自体もう、作ってる側も見失っちゃてるんじゃないの時代背景。
現代なんだよね?現代の人間が、そこらにいる人間が、本当にこんなだって思ってる?
もしくは、こうあって欲しいってこと?
全ての問題はプロレスで決着すればいいのさ!って、そういう若者たちに戻れってこと?
それで、不倫やデキ婚や家族や格差に、今の社会に、立ち向かえってこと?

だとしたら、このドラマのカテゴリはファンタジーですよね。

起きる問題は今っぽいけど、出てくる人間は昭和初期からタイムスリップしてきたような人間。

よし、結論でました。

昭和のドキュン兄弟が現代にタイムスリップしてきて、平成特有の困難に直面しながらも、
なにくそ、昭和のやり方で(主にプロレスで)困難を乗り越えてゆくぜ、と奮闘する青春ファミリーファンタジー

そういうドラマ。
だそうです。