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everywhere I'll go

魔法の4文字

クイズ☆タレント名鑑」っつーのを毎週見てしまうの。
理由は、他に見るものがないのと、3回に1回は笑えるときもあるし、日曜の夜はこのくらいの感じがいいのよ。

そこで、売れないものまねタレントが出てくるコーナーで「ミスッタチルドレン」とかでてくんのね。たまに。
桜井さんの歌まねなんだけど、まぁまぁ。
まぁまぁだから売れてないんだけど。
で、名前からわかるように、見た目が残念な人。
故に、みすったちるどれん。ね。このくらいがいいのよ、日曜の夜は。

そういうぼんやりした覚悟で今週も見ていたわけです。

コーナーのひとつにネットの検索ワードから、誰を検索しているかを当てるっていうクイズがありまして。これも結構面白いのね。

たとえば「クズ」「パチンコ」ってワードが出てくる。
有吉が「ごめんなさい、カンダウノ」と回答する。
次に小木が「ごめんなさい、イトウミサキ」と続けるというかんじ。
いい感じに日曜の夜が始まったのであります。

ピーピー入る番組は嫌いなんだけどね、この番組は入っても笑えるの。
やっぱ有吉とかおぎやはぎが好きだからさ、どうしても笑ってしまうのね、あたし。

そんでまぁ、今日、とうとう出てきてしまったのね。

一つ目「ギリギリ」。
あ。
二つ目「365日」
あー。

まぁ竹山おじさんが正解してくれる前に
有吉「オカエクミコ。ギリギリいける」
矢作「イソノキリ。ギリギリアウト」
って、そこそこ遊んでくれましたけど、桜井さんが身を削らされた割には、あまり盛り上がりに欠けたクイズとなってしまいました。

そうよねぇ。

アラフォー奥様方大半の今の職場で「ミスチルの桜井さんが好いのです」というと、皆さん「でもさぁ、ギリギリガールズ・・・でしょ?」「不倫でしょ?」「あれからもうだめなの、あたし」「歌聴いてられないもーん」とね。未だに。

しかしながら皆さん「あれさえなければねぇ」という、非難するというよりは、複雑な想いの入り混じった、それは苦渋の結論なのよ、という表情がありありと浮かんでらっしゃいます。

あの一件がないに越したことはなかったのですが、あの一件があったからこそ、というのもあるにはあるのだと思います。

あれは今の桜井和寿のソングライティングの土台、あるいは指針、あるいは帰るべき場所ともなっているのではないでしょうか。

それにあれは、国民的といわれつつあったミュージシャンの、確信犯的な賭けだったのではないでしょうか。
こんな、法的にも裁かれる「不貞」を犯した人間の作った歌でも、その人間を越えて、歌だけを好いと言ってくれるのか、という他者への挑発。
そして、こんな自分が「愛」とか唄ってどれだけ滑稽に映るのか、そしてその説得力ゼロの中でそれでもどれだけ売れ続けられるか、唄いつづけられるか、という、自分への拷問。

そういうわが身を痛めつけるのと引き換えに、ソングライターが年齢を重ねるごとに必ずや訪れる作詞能力の低下を、少しでも遅らせる、あるいは、それを感じさせないための実験を、向こう何年も続けるにはきっと必要不可欠だったのです。
みんなの心により強烈に、けれど容易に記憶が蘇る、魔法のことば「ギリギリ」。

画して、あれから、およそ15年も経とうとしている今でも、この長い長い実験は彼の思惑通り続き、あの一件を知らない世代の心をまでも掴む、国民的ミュージシャンへと昇華していったのであります。

とね、そういうことにしておきませんか、皆のもの。
ただただ、おっぱいが大きかったから、だけでは、あまりに、切ないやん。