fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

いつも答えはひとつしかない

お時給は2000円に。
3週間で20マン超え。
あー神っているのかもしれない。

しかし神はその代わりに、余計なお土産を2つ置いていった。

ひとつめ。

3月5日までこのおいしい仕事で、次はなかなか決まらんだろうなぁ、またぐーたら生活できちゃうなぁ、まいったまいった、しょうがないから24シーズン7を見るしかないじゃんって嬉しい悲鳴を上げていたのに。

3月8日からの長期仕事を担当営業がばっつし持ってきてしまった。
なんか、無理そうな仕事だ。
「だーいじょうぶですよー!明朗快活な方ですって推しときましたから!だーーいじょーーぶですって、○○さんの実力なら!」
メ、メイローって、この陰気な中年女によくもヌケヌケと。
つかこんな馬鹿でもチョンでもできる短期仕事で実力もへったくれもわかんねだろ。
「やっぱり無理です」
「だいじょうぶです!ぜったいだいじょうぶですから!わたしもたまに行きますから!」

なんて軽い営業マンなんだ。
こいつは元妻と裁判中らしい。家の財産の件で。
妻の勤務先に合わせてチバに家を建てちゃったんだそうだ。
あんた大阪出身で、まさかそのために上京してきたんではなかろうか。
デキ婚でできた中学生と小学生の子供2人は父親側についてコブ付きに。
子供たちはナースの仕事仕事で子育て放棄した母親にうんざりしているそうだ。
って、なんでそんな話までハケンのあたしらにしちゃうんだ。
個人情報ダダ漏れじゃないか。
一人ばっくれて、あたしらの負担が増えたお詫びにと、毎日現場にきて少し仕事を手伝ってゆく。
ケーキの差し入れまでもってきて、そして上司の反対を押し切って時給2000円に。
打ち上げとかいうのまで会社持ちでやってくれるんだそうだ。
なんて人の好い営業マンなんだ。
負けるよ、そんなんじゃ、裁判、負けちゃうよ。

そんな営業としても男としてもダメダメなこの人物に負けそうな、いやなやかん。
これが神が置いていった2つめのおみや。
に、ならないことをただ祈る。

「間違いじゃないきっと答えはひとつじゃない」

いやいや、完全に間違ってるから。

「悪くはない―」

だから悪いから。気分が悪いし、嫌なのそもそも。