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「20世紀少年(1~2章)」を観た

っまんねーんですけど。

原作読んでる皆さんはまさか観てないよね、観ないでいいよ。
観ちゃったあたしからの忠告だよ。

あーでも、原作いまいちかなー、って人は観てもいいかもね。
原作ってやっぱしおもしろかったのねん、メンゴメンゴって気づける。

予告観ただけで、予想はついたけど、やっぱ戦闘やら爆破のドンパチシーンっつーの?
そゆう派手にCG使えるところはウゼってくらい、時間を割いてたよ。

それに対して、肝心なものを、まぁー無慈悲に端折ってからに。
言い出したらきりがないけど、例えばケンヂがロボット内部に侵入するシーン。
あんなあっさりとじゃないでしょ。なんやかや、ぐっとくる友情やりとりあったべ。
ケンヂ行くな!行くのかケンヂ!ってさ、あったしょ。

あとね、いわゆるサブキャラの物語を抹消しすぎ。
それもさ、消してはいけない物語を。
神父とローマ法王の物語は?ありゃ泣けたよ。
サダキヨは!そうだよサダキヨ!1チャプターの登場で終わらせる気?
恩師と写真のあの物語は?あれキモだろ。号泣だろ。
つか、サブキャラどころか、ドンキをケンヂたちが友達として迎え入れるきっかけになった溜め池救出事件は?

そんでもって、いろんなことをくっつけてたねぇ。
無遠慮にホチキスでバッツンバッツン、つまんでくれたねぇ。
え、この出来事、この人が知ってたことにしちゃう?っつー。
え、この人が殺して、この人が助けたことにしちゃう?っつー。

まるで、4倍速で観てる感じ。
金のかかった20世紀少年ダイジェスト版てとこ。

ともかく、登場人物が抱える物語をすっ飛ばしたもんだから、ひとりひとりのキャラも、彼らの関係性も、何もかも希薄。

ならばこの映画、誰に焦点を合わせているかというと、よりにもよって、カンナ。
しょーじき、原作でも、「24」のキムくらいにイラっとするキャラだったのに、
実写になって「こんなキンキン声なん?」って違和感もプラスされてんのに、
そのカンナの成長物語に摩り替わっている。
全ての謎をひとりでカンナが解決してゆく、スイスイスイっと。
製作側がこの女優オシするがための映画なんじゃないのか?

この長い長い物語は、ケンヂ、オッチョ、ヨシツネ、ユキジ、マルオ、サダキヨ、を中心とした人物の、友情と正義に溢れたお話じゃないのか。
思いもよらず困難に立ち向かわざるを得なくなった中年がたちが、地球を救うという幼い頃の無謀さを再び取り戻す、大人の冒険物語じゃないのか。

「だってしょうがないじゃないか、映画なんだし、24巻、まるっとまんま再現できないよ」

そうだよね、だよだよ。
だから、だったらやるなっつってんだ。
映画なんかにするなっつってんだ。
もう、完成してるじゃん、画付きで。
それを何故ゆえに実写映像に?その意味は?
はい、それはね、今、邦画が当たっているからなんだよ。

そうかそうか。

及第点あげられるのは、まぁ、キャスティングかなぁ。

ケンヂがよりおもろかっこよくなってた。唐沢のおかげで。
ヨシツネの香川が意外に満点。さすが名優香川くん。子役もビッダシ。

あー子役っちゃー、ドンキの子役、あれはないわ。
大人のドンキを生瀬にしたから、それに合わせた子役なんだろうけど、あまりにしっかりした作りの子供で、ドンキの純粋さというか愛らしさが失われていた。

文句なしのパーフェクトキャスティングは、小泉響子役の木南晴夏
漫画の元になっているのがこの女優なんじゃないかってくらいだ。
似ているだけではなく、カンナ役のコを完全に食っていた。
銭ゲバでもよかったものね、この女優。

そりと、サダキヨのユースケ。これすっごい楽しみにしてたのに、もったいないって。
もっとやらせてやれよユースケに。
3章で再登場するのだろうか。原作通りなら出てくるはずだが。
しかし、返す返すも、恩師との再会シーンをカットするという大失態。
だからもう、いい。この先、出ても出なくても同じだ。

しかしまぁ、キリコを黒木瞳ちゃんって、この重要な人物を、このダイコーンおばちゃんに。
平愛梨も、ダイコーン・・・、あーそういう意味で親子役なの?そこ、合わせちゃったの?

てわけで、キャスティングも結局、プラマイゼロ。

よかったってか、うまいところは、2章の終わりあたりから、なんとなく原作と違う方向になってる臭が漂ってきていて・・・まぁ、違うって大したとこじゃないのだけどね。「ともだちは誰?」ってところだけを操作しているという、やっすい味の甘い水。3章、観においでっていう誘い水。

しかしながら、あたしも人の子、ここまで観てしまったものだから、その水、飲みに行くんだろうなぁ。

やっすいなぁ、あたしも。