21世紀は私たちのもの
私たちの未来は
希望に満ちている
輝いている
期待されている
確かこんなタイトルで、こんな詩みたいなやつを、小学校の卒業式に大声で叫ばされた覚えがある。
私は、本当は、どんな子供だったんだろう。
自分をよく見せようと、嘘ばかりついていた。
バカにされるのが嫌いで、男子生徒を怒鳴ったり蹴飛ばしたりしたこともあった。
牛乳びんのふたを集めるのが流行って、親友の家に行った時、何枚か盗んだ。
高学年になって低学年の面倒をみるのが、本当に面倒だと感じた。
みんなが盛り上がっているのを見ると、馬鹿馬鹿しくなることが多かった。
将来の夢はという質問に、本気で何も浮かばなかった。
先生の褒め言葉はプレッシャーにしかならず、苦痛だった。
家ではほとんど会話をしなかった。
学校ではどちらかといえば、いじめる側だった。
好きな人の前では何も話せなかった。
放送委員で昼休みに好きな歌をかける時が一番楽しかった。
家に誰もいなくなった時だけ、ひとりでいろんな歌をたくさん唄った。
卒業式は図書室で嗚咽するほど泣いていた。
「とにかくかわいくない嫌な子供だったなあ」という一言で、これまできた。
でも、私自身はあの頃、本当はどういう子だったんだろう。
周りから見た評判ではなく、あの頃、私は、何を思っていたんだろう。
本当に夢はなかったのだろうか。
やりたいことはなかったのだろうか。
未来を思い描いたりしなかったのだろうか。
それともやっぱりどうしようもない子供だったんだろうか。
「20世紀少年」を読んでいて、ふと、そんなことを思った。
30年くらい遡って、私に会いたい。