fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

いつまでも待っているから

 もしできることなら あの日に戻って
 もういちどそこから 歩き始めたい

1日1度、聴きに行ってしまう動画がある。
ap bank fesで桜井和寿小田和正の「緑の街」を唄っているやつだ。

小田さんのむやみやたらにさらっとした、あのプツプツ途切れるような歌唱法がいまひとつ好きになれない私にとっては、こんな好い歌だったのかと驚くほど気づかされた。

桜井さんの唄い方は力強く、振り絞るようで、切ない。
大げさな唄い方だと嫌う人もいるだろうから、もう、ここからは好き嫌いの話だけど。

小田さんのそれは遥か遠い昔の思い出話のように聞こえる。
年齢のせいもあってか、桜井さんが唄うと、今だ乾かぬ想いのように聞こえる。

「忘れられない」「あの日に戻って」「今も好きだと」。
こういう懐古的でストレートな歌詞をミスチルで聴かない。
たまに、カップリングでみつけると、とても嬉しい。
本当はもっと唄って欲しいけれど、bank bandのカヴァーアルバムで桜井さんの声でこういった種の歌を聴くと、なんとなく理由がわかる。
あまりに、声と歌詞が一体になりすぎて、辛すぎるのだ。
桜井さんの声自体がすでに郷愁に溢れている、その上に、同じような趣の歌詞が乗っかると悲しくて痛々しくさえある。

できれば「風のようにうたが流れていた」も唄ってくれないか。
「イロトリドリ」は飛び上がって喜んだ。
あとは「光について」もやってほしい。
ともかく好きな歌を全て桜井さんの声で歌い直して欲しい。
なんともオリジナルどのには失礼な話だが、彼の声で歌えば、ずっと好きだった歌の好さがデフォルメされたり、聴くはずもなかったであろう名曲を知ることができる。

ap bankの活動には賛同できないのは相変わらずだけれど、
bank bandの3rdアルバムだけは、心待ちにしている。