fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

透き通ってく水のような

 でも妙に器用に立ち振舞う
 自分はそれ以上に嫌い

今日の私は嫌な人間だった。
いつも嫌な人間だが、こういう嫌さはいいけど、こうなったらおしまいだと思うところがあって、
今日はそれを優に越え、それを止められず、一日中、嫌な人間だった。

弱い立場の人に対して強い立場の人間が威張り散らし、理不尽に目くじらを立てる姿は最低だが、その強い人間に迎合する人間というのは、もっと最悪だ。

職場には2人、どうも、仕事が速く捌けない人がいる。
2人とも私より前からいる。
私だって、実際、今やってること、ぼんやりとしかわかってない。
ただ、ともかく、私は、早い。ただ、早い。出来るわけではない。
間違ってるかもしれんが、もう、いいややっちまえって、早いだけなのだ。
けれどこの2人、遅い。まじめなのだ要は。やっちまったもん勝ちなのに。

ともかくこの2人を早く終わった人が手伝うということになった。
昨日のことだ。
正直、こいつら今まで何してたんだ、ってくらい、何も終わってなかった。
あんで、自分の仕事を良かれと思って早く終えたのに、また、他人の分までやらされるんだと思ったし、つーか私だっておぼつかなねーから、しらねーしらねーと流しながらも、不安なわけで、1日中そういう気持ちでやってるもんだから、たっぷり疲れた。

そして今日で2日目。
ふと気づけば、ベテランチームと、私だけで手伝っていた。
他のやつらだって、もう、仕事終わってるだろうに、だんまりだ。
そらそうだ、手伝って、それが間違ってたら言われるのは自分だから、手伝う手数は少ない方が怒られる確立は低くなるからだ。
けれど、そこら辺の要領をまだ得なかった私は手伝いに手をつけてしまった。
そんな貧乏クジを引かされた感いっぱいで仕事をしていた。

ベテランチーム(私はこいつらをW浅野と呼んでいる。いわゆるそういう無駄なテンションの使い方をする女たちだ。)はいつも、できない人たちをこてんぱんに責め立てる。鬼の首を獲ったように、吊し上げる。
今回もデキナイーズを人目も気にせず怒鳴りつけていた。
同意を求めるように、彼女たちは私の席に来て愚痴を振ってきた。
疲れて、切れ気味の私は、安きに流れるようにそこに乗っかった。
乗っかったら最後。
そのまま、スネ夫みたいに、うなずいて、むしろおかずをつけて、同調した。

帰りはさすがに落ち込んだ。
なんて嫌な女だと、自分につくづくだった。
あそこのW浅野たちと同じじゃないかと、げんなり。

お風呂に入って、髪と体と洗うだけでは足りず、HANABIを熱唱した。
本当に好い歌だと思う。
桜井さんの歌が、すんなり聴けるのは、決して神の目線で書いていないからだと思う。
時には叫ぶように、時にはつぶやくように、真正面から、斜めから、手段は違えど、常にそこ流れているのは、「こうでありたい」という願いだ。

「こうでありたい」という歌を熱唱して「こうでありたい」と声に出すことで、せめて、
日々汚れてゆく自分を少しだけマシにできたら。