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everywhere I'll go

「花の匂い」PVをやっと観た

泣ける。

やっぱり、Mr.Childrenの映像モノは凝っている。

除く「GIFT」と「彩り」。
ああいった、生保CM延長戦バージョンのようなやつは、心底勘弁してほしい。
が、が、あれはあれで、「あーうぜー映像だぁーっ、知らねー、そんなのシラネー」とダレてヤサぐれてたりすると、不意打ち、ラスト近くに桜井和寿満点笑顔で唄うの映像がまんをじして登場するわけだ。そうか、ならしょうがないってなるわけだ。卑怯だ。

話しを戻して。

この「花の匂い」のPV、ちょっと意外だった。
何がって、「私は貝になりたい」とリンクしている、どころか、直球で、まんまだったからだ。
だから、あの映画を観て、なおかつ泣いたという人は、このPVで泣かないわけがない。
逆に、あの映画を観ていないと、このPVの衝撃はぼんやりしてしまうのではないだろうか。

だからといって、音楽を無視することなく、むしろかっこいいMUSIC VIDEOとしての完成度も満たしている。「暗闇が訪れる」「落ちてくる雨」「崩れうなだれる妻」「走り出す足」「戦い」「開花」「光の訪れ」。それらの瞬間瞬間のタイミングが絶妙。

「はるまついぶき」のPVを観た時の感覚に似ている。
この歌ってこんなに好い歌だったんだと、改めて気づかせてくれた。

今回のPVは、それにプラス、あの映画を観た時の悲しみを再び思い起こさせた。
そして、悲劇だけで終わった映画に、この鎮魂歌は必要だったのかと疑問が残っていたが、それは間違っていた。
そもそも必要かどうかではなく、これは、あの映画から投げかけられた問題に対する解答、否定、願い、だったのかもしれない。

だからこそ、この歌が、実際の映画では、あまりに粗雑に扱われていたことが、一層悔やまれてならない。映画制作側はこのPVを観て、どうか猛省を。