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everywhere I'll go

「クワイエットルームにようこそ」を観た

原作が好かったので、借りてみた。
結局泣いたから、いい映画だったんだと思う。
だって嫌いな内田有紀で泣いたのだ。
けれど本を読んだ時ほどではない。
泣いたのも原作という補足があったからじゃないかな。

何の才能もなく、ただお笑い番組だけを見て、人生はおもしろければいい、おもしろくないもの、こと、人は、排除して生きてきた女がある日、目が覚めると、精神病院で手足を縛られていた。
そこは、他人に迷惑をかける患者が入れられる“クワイエットルーム”だった。

女はいろんな場面で、なぜ自分がここに入れられたのか、と自問自答したり、質問されたりする。その度、ちょっと睡眠薬を飲みすぎただけ、自分は普通だ、ここにいる人間とは違うと答えを出す。ここにいる、頭のおかしな奴らと自分は違うんだと。
けれど、気づかされてしまう。
よりにもよって、そこの患者の過食症中年女に土足で踏み込まれて暴かれる。
ここへ来た本当の理由。本当は知っていたけれど、忘れようと揉み消した、自分の罪を。

私は自分を普通だと思っている。
たまにキチガイかもと思うこともあるが、少なくとも、これまで出会った、前世は輪ゴムや糸ようじだったんじゃねーかっていうような、人間やるの今回が初めてなんです、みてぇな奴らに比べれば、私はなんてマトモなんだと思っている。
そうして、きっとみんなもそれぞれ同じことを思っているのだろう。

私はこれまで傷つけたであろう人たちを思い出す。
今、傷つけている人たちを思い出す。
大好きだった人たちも思い出す。

改心、をしたわけではないけれど、観終わった後、そうやって泣けてくる。