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everywhere I'll go

愛想も傷もなくなった

 愛想なしの君が笑った そんな単純な事で 遂に肝心な物が何かって気付く

とか

 「傷つきやすそうに見えるでしょ、案外強いのよ」 君の言葉いじらしくて泣きそうになる

とか

桜井さんは相当、脳天気なあんぽんたーんと思う。

愛想なし、ということは愛想をふりまかなくてもいい、誰に媚びへつらうことなどせずとも、生きていけるほどの美人なのだろう。
ご存知だろうか、彼は。
とりあえず笑ってその場を凌ぐことしかできない女だっているのだ。

傷つきやすそうに見えるでしょ、って、言うか、自分で言っちゃうかそれ?
その上、畳み掛けるように、案外強いのよ、なんて言う女は、もう罠だらけだ。
つか、傷つきやすそうに見えるならまだましだ。
ご存知だろうか、彼は。
いかつい外見のせいで、安易に散々傷つけられ、慢性化して、体中、痛くも痒くもなくなってしまう女が、どれだけ、いじらしい、つか、いじけてしまうかを。

したたかな女たちに、肝心なものを気づかされたり、泣きそうになってしまう、桜井和寿は、やはり、女に困らない、おきラクごくラクなモテ男の人生を歩んできたのだろうなと思う。モテ女とモテ男だけで構成された世界で生きてきたのだ。
だからこそ、綺麗な歌が書けるのだ。
外見の美しさなんてさておき、物事の内面に潜む美しさを歌にできるのだ。
さておけちゃうのだ。
だって彼は外見の醜い女との接点がない、いわば、未確認生物に近い。
だもんで頭もちらりとも過ぎらずに、ただ内面のことだけ考えてられるのだ。

やっぱりね、なんやかやゆうて、モテ続けた男の歌はいい。
説得力がある。別世界だもの、もう何も反論できない。平伏すしかない。
あたしのような人間にはそういう眩しい歌が必要だ。
灯りの代わりに。