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NHKスペシャル「メガヒットの秘密~20年目のB'z~」を見た

まず、同じスタッフで、同じ尺で、Mr.Childrenの特集を作っていただきたい。
それを見てからじゃないとあまり迂闊なことは言えないけれど。
でもまぁ、言っちゃうと、
今日見た限り、セールスだけではなく、ミスチルはB'zにはやっぱり敵わないと確信。

B'zをあまり知らない大概の人たち、特に女性がよく言っちゃう。
「稲葉さんだけでいいよね、B'z」

そのたび、B'zの大ファンの妹を持つ姉として、私は声を大にして訂正をする。
「松本さんがいなかったら、それはB'zではありません」

正直、松本さんは、想像以上に、おっかなかった。
稲葉さんが詞をつけたものを、初めて彼に聴かせるという場面は、みのもんたのミリオネなんかよりドキドキした。
大人の世界だと思った。

松本孝弘にどれだけしごかれたのだろう、稲葉浩志は。
国立卒で、教員免許まで取り、いわば、逃げ道や滑り止めを持ちつつ、きっと安易に音楽を初めたであろう青年は、この音楽バカに、どれだけプライドを打ちのめされたのだろう。
そうして、彼はストイックバカになった。自分をミュージシャンと称さず「B'zのシンガー」としたのは、そういうことだろう。松本さんにみつけてもらわなかったら、彼は、きっと音楽人生を歩むことなどなかったはずだ。100%自分の本意ではない音楽、とさえも言い切れるプロにまでなるとは、本人だって想像しなかっただろう。

ミスチルとの最大の違いは、音楽のプロフェッショナル、いわゆる、音楽で売れることありきで、B'zが始まっているところにあるような気がした。
音楽でお金をもらう。もらったらその分、客を楽しませる。またお金が入る。今度は前回の倍楽しませる。必ず、必ず、毎回楽しませる。
そのシンプルで険しいサイクルを、ぶれることなくひたむきに繰り返している、売れる音楽を作り続けるプロなのだ。

桜井さんが、メンバーがいないと音楽ができないだとか、行き詰まった時にメンバーを見て持ち直すだとか、そういう関係とはまるで違う。
別にミスチルが甘いだとか、仲良しお友達の集まりだなんて言ってない。
桜井さんだって、ストイックだ。小さな小さな、それこそ聴いてる側にしたらどっちでもいいよってことにこだわって、1曲を仕上げているのだ。

B'zと決定的に違うのは、Mr.Childrenだけでは、プロとしていられたか、というところで、それはもう、ずっと前に、とっくに、息切れしていただろうと思う。
彼らが今もトップでい続け‘られている’理由は、なによりも、小林武史の音楽家としての才能だ。彼がいなければプロとして成立しない。
バンドと言うのは、もう、名ばかりで、桜井和寿小林武史の音楽に、バックバンドがくっついてるだけだ。
それを自覚していない桜井和寿以外のメンバーに腹が立つ限り、もう、Mr.ChildrenというバンドはB'zというバンドのプロ意識を越えることはできないだろう。

僕らの音楽を、僕らで作らないと、リアリティがない」と松本さんは言っていた。
聞こえたか、そこの3人。
松本さん、あの3人に、どうか、喝を。

ミスチルで同じ番組を作ってください、と言ったが、もちろんその時はMr.Childrenだけだ。
タケシ抜きだ。どうだ、できるか、できないだろ?成立しないだろ?

ほれみたことか。

いろんな音楽のやり方、いろんな売り方、あってしかり。
けれどね、今日この番組を見た後、このような複雑な気持ちになりましたのよ。

私は桜井和寿の歌のビッグビッグファンだ!
と自信も持って言い切れる唯一の言葉で、最後はキレイにまとめましょう。