真冬のひまわりのように
福島の山の奥の奥、雪深いホテルのレストランでバイトをしていた。
いわゆるひとつのリゾートバイト、3ヶ月間、東京から逃げるために。
そのレストランの有線から聴こえてきたのが「CROSS ROAD」だった。
小室とビーイング系の音楽にまみれたヒットチャートの中から、流れてきた。
外は真っ白で、お客さんが少ない時間で、とても穏やかな時間で。
オーダーをメモるためのメモ用紙に、聴き取れる限りの歌詞を書いた。
その歌を、東京に持ち帰って、その歌で、なんとか東京で生きた。
それからずっと、この人からもらった歌を握りしめたまま、なんとか今もここにいる。
今日も偶然、ちょうどこの歌を聴きながら、あれから何曲目になるのか、
新しい歌をまたもらいに行ってきました。
まだもったいぶって封を開けていませんが。
今からじっくり聴きますが。
それにしても、ずいぶん長いつきあいになりましたが。
これからもずっと、ください。