fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

光陰

あの季節の中で 二人がみた夢は
止めたはずの時間と 傾いたMOON

Lovers_day

ひっっさしぶりに氷室さんのライブに行ってきた。
ずっとミスチルしか行ってなかった私にはかなり男くさい度の高いライブでした。
なにぶん、ファン層が、なんつーか、集会って感じで、おっかねー。声援も野太い。

ボウイをさんざんやっていた。
私はボウイの歌を生で聴いたことがなかったから、音が始まるやいなや、
青春時代が走馬燈のように流れては消え、泣きそうになった。
けれど、2曲目「季節が君だけを変える」からは、別の意味で泣きそうになった。

さいたまスーパーアリーナにいたのは、
20年前に解散したボウイというバンドの歌を唄っている氷室京介で、
それはボウイの氷室ではなかった。
氷室さんがボウイをカヴァーしているに過ぎなかった。
たとえば、高校時代を懐かしんで、校舎や通学路を訪れた時のような気持ち。
異様に寂しくなった。
何ひとつ変わってないけど、何もかもが変わった。

そして何がって、やっぱりボウイの歌になると恐いファンたちが異様に盛り上がる。
氷室さんがソロになってからリリースしたバラードやミディアムテンポの曲は、
彼の歌声を十分に堪能できる。
私はそういう名曲を、アンプラグドでじっくり唄うようなライブもやって欲しい。
けれどそういう、おっかねぇ輩はバラード曲が続くと文句を言い出す。
もっとノレるやつやれー、と。ボウイまたやれよー、と。
あほか、と。
だったらハードロックやメタルのライブに行け。
だったらボウイのDVDをシンナーでも吸いながら懐かしんで見てろバカヤロウ。

元ボウイって、誇らしいバッチだけど、鉛で出来てるみたいに、
ずいぶん重たいもんを貼り付けられたもんだなと、少しかわいそうになってしまった。

それでも彼は、唄い出せばカリスマに満ち、言葉を発すれば控えめな、
それはそれは、近年稀に見る、かっこよすぎるボーカリストには違いなかった。
そこだけは変わらない。

20年。20年経ったかぁ。そうかぁ。
そりゃあたしも歳とるっちゅうの。