答えを見つけようと 思い出また積み重ねてる
ここから新しい場所へ 何も恐れないで
遅い朝に起きて、あー今日こそ洗濯せなあかんよなー、晴れちゃったし。
ベランダを空けると、嵐の大音量。
な、なんだ、なんなんだ、暴走族か。
しかも午前中の嵐。どんだけ健全な族なんだ。
少し目を凝らすとご近所の小学校に万国旗がはためいていた。
嵐にあわせてダンスの出し物かなんかかな。
終わると大歓声と拍手が聞こえる。
次に流れてきたのは徒競走のあのおなじみのBGM。
昭和から変わらないのね、あれだけは。
また、拍手と歓声。
嫌いだったなぁ、運動会。
絶対ビリになるのがわかってるのに、無理やり走らされて、
はい、あんたビリねって緑のリボンを手首に結わかれる。
だからわかってるっつの。改めて順位を、しかも人前で。見世物よろしくだ。
ほんと大嫌いだった。
小学校から中学校の間に行われた何十回という運動会を
くすりともせず苦虫つぶしながらやり過ごした。
今ならきっと、
大声でうぁーきゃーいいながら全力疾走して
手を叩いて大爆笑しながらゴールできるだろう。
あの頃いたともだちも音も声も、何も、誰も、ない校庭で。
どうしてあんなふうだったんだろう。
どうしてこんなふうになっちゃったんだろう。
今、鼓笛隊の音が止んで、また子供たちの歓声がしました。