街が急いで 君がうつむく
どこかで 響く そのシンフォニー
テレビでさぁ、シロートが「Missing」とか唄ってるからさぁ、久保田が聴きたくなってさぁ。
好いよねぇ。
カラオケボックスが、巷を賑わせ始めた頃。
そうさなぁ。
曲をリクエストすると機械の中でウィーンウィーンって音がして、始まるまですっげ時間がかかる。
そんな頃。
学校が千葉にあったもんで、よりにもよって、はじめてのカラオケが柏くんだり。
そんときいっちばん最初に唄ったのが、「一途な夜、無傷な朝」だったっちゅうー。
ともだち、ぽっかーんだったよ。あほか、と。渋すぎる、と。
いやまぁその頃はさぁ、今よりもっと男前だったからあたい。
男の歌しかほんと知らなかったし、流行の歌も知らなかったしってここは今も変わらないけども。
ともかくそれしか浮かばなかったんだなぁ。
それからだんだん、まぁ今井美樹やら松たか子やらと、女らしいもんに手を出して、
今なんてね、あんた、マイラバやらaikoやらカエラちゃんやら、しゃあしゃあと唄うから。
唄う姿はオカルトそのもの。怖いね、開き直りってのは。
長生きすればするほど、自分が、ずうずうしく、いやらしく、異様なひとになってくんだが。
カラオケひとつとってもこれだもんさ。
誰か止めてよ。