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everywhere I'll go

Mr.Children Stadium Tour 2015 未完 東京ドーム

今回は最多に行ってる。
アルバムが好かったから、こんなのこれが最後になるかもしれないから、という防衛本能で、あるいは、最後だから、という卒業式前にもにたテンションでチケットを取っているような気さえしてきた。

とにかく前回のREFLECTIONツアーとここまで違くしたんだという驚き。曲目はもちろん、曲のアレンジも、構成も、スクリーンに映し出される映像も。まず印象は、「派手でずいぶん金かけたな」ってことだ。火薬使用なんて久しぶりな気がするんだが。

派手なだけで中身ないかっつったら、まぁぎっしり。詰めて詰めて溢れていた。
Mr.Childrenの手持ちカード、全部使い果たしましたってくらいのセットリスト。
ニシエヒガシエ、光の射す方へ、まさかのCHILDREN'S WORLD。
ねぇ驚く、これだけでも。

ニシエヒガシエのサビになったら、隣の20代前半の子達が「あ、この歌聴いたことあるっ」だってよ奥さん。
ねぇ、そんな時代が来たのか。長く生きた、生き過ぎた。しみじみしちゃったよ。
光の射す方へは、あんま言いたかないけど、桜井、声出てなかったかなぁ。
あそこ、「ひかりのさぁすほぉえぇ~」が全部、出てなかった。出ないんか、それともわざとなのか・・・いやぁ、あそこはわざとファルセットで出すようなところでもないし、ファルセットだったとしても、完成度の低いもんだったし。
それとも東京ドームの音響の悪さか。悪すぎるあそこ。「音楽系できません」ってしてくれないかしら。そうだな、ドーム、東京ドームのせいということにしておこう。

でこれだけで驚いてはいけなかった。
and I love you、タガタメ、フェイク、ALIVE、終わりなき旅、蘇生、Tommorow never knows、innocent world。
どうよ。これ解散ライブでしょもはや。出し切ってるでしょ。

and I love youはまさか聴けると思わなかったんでもう、泣いた。名曲だよ。
そんでこの曲の前に「愛とはなんだ」ってMCやるんだけどね、ブッタの話を引用しつつ。
ちなみにマンガのブッタ、読めなかった。1巻でギブ。ブッタ、チッタ、ッタッタっていっぱい出てきて、話がちんたらしてて。
世界の手塚治虫になんつことをと我ながらバチ当たりなんだけど、まぁ、もう一回トライしようかなと、今回思い直す。
で、桜井のMCは「愛とはなんだ」で始まり、彼の答えは「想像力」なんだそう。
相変わらず元落研とは思えぬほどの話のオチが弱いというか意味不明というか高尚過ぎるというか、まぁ、そんなこんなで and I love youを聴けとおっしゃった。
はい、聴きます、正直あなたの講釈なぞは忘れてしまうほどの名曲。歌だけでよい。
ただね、「愛とはなんだ」ってあんたが言うかねぇ。家族愛って言ってなかった?まぁこっちは歌さえよけりゃよいが。
しかし、この名曲のその後の曲がいただけなかった。
タガタメ。そもそもわたしはあまり好きじゃない。にもかかわらず、この歌のときのスクリーンの映像に鳥肌。
子供の顔がいっぱい!こわい!水子の霊?!たまに生命保険のCMかってくらいの気持ち悪い映像流すときあるけど、こんなダイレクトにされちゃあ、薄気味悪いを通り越して、恐怖だよ。
更に、戦車、戦争、泣き叫ぶ女性の映像。
歌の内容はそういうもんだっていうのはわかるし、だから、もう歌だけでその押し付けがましさは十二分に伝わるんだから、やめたらいいのに。
今やるとあれよ流行の「安保反対派」って思われるよ。ま、そうなんだろうけどね、この人は。この前のMCでも「ん?今ちらっと、それを匂わすようなこと言ったべ?」ってのがあったものね。前にTBSのNEWS23にも出てたし。「左の人、右の人」って割りに、左よりだよね、この人。まぁ、安保反対が右なのか左なのか知らんけど。
とにかく。
and I love youはただ一人の名も知らぬ誰かを愛する歌だ。今もう出会っている人、これから出会うかもしれない人、もしかしたらとおに出会っていてそして失ってしまった人。その誰かに向かって、愛していると、愛して欲しいと、叫ぶような歌。
タカダメはむやみに世界を愛せと聞こえる。いいからつべこべ言わず隣人を愛せと。
そのことがよくわかった、今回2曲立て続けてくれたおかげで。

終わりなき旅は、聴けて嬉しかったのだけどもね、「はいっ!みんなで一緒に~」みたいな、ゆずみたいな、軽~い感じで唄われて、まじかーと。それそういう歌じゃないでしょうと。
そのあと幻聴を挟んで足音。そりゃあ、ここ並べたら、キツイよね。
しかも、足音は本イキで唄ってた。なるほど、そこで終わりなき旅であぁいう気の抜けた唄い方したのね。
その本イキ、その汗、その歌声、そのエネルギー、終わりなき旅で使って欲しかったわ、とシレーっと聴いてた。
客も本イキで聴いてるみたいで、それもまじかーだったけど。

もっとドン引きだったのは、会場の殆どの照明を落として、ご本人の顔も形もまったく見えない中、会場客にスマホのライト点けさせ、ユラユラさせて、I wanna be thereを唄うという演出。せっかくいい歌なのに、まったく入ってこない。
そりゃきれいだったよ、スマホのライトがまるで星空みたいでね。でもさ、これ、そういうイベント?キャンドルジュン的な?
それもよりにもよって、この曲でそういう演出?
だったらわたしこの曲の意味全くわかってなかったっていうか、じゃあいいや、本当の解釈なんて知らなくて結構、と思ったわ。
「僕は宗教家でもないけど」と言ってたが完全に宗教家だよ。傍から見たらミスチルのライブってそっち系ってなるよそりゃ。
わたしは入信しないよこの領域までは。
ライトなんてスマホの電池食うのに、この何万人が充電したらそれこそだ。というかこの何万人を集めてるだけで、その消費電力エネルギーたるや。だから、そういう気持ち悪い矛盾に固執し続けるのやめたらいいのに。
あ。
あれだな、ap bankでやりたかったの、ここで消化してんなこのやろう。職権乱用だ。
とにかく、引きまくった。
けれどこれはあくまでわたしの一身上の都合によるクレームなので皆さんにおかれましては感動されるんではなかろうか。

ちょっといつもの調子が出てきてしまったが、今回のここに書き残しておきたかったのは「ALIVE」。
唄えてた。
えてた、っていうのも失礼な話だが、声が出る出ないうんぬんではなく、この歌を唄っていた頃に比べたら、彼はそれこそ「神」か「千人か」みたいになっちゃったから、どうなるものやらと思っていたが、そこはプロ。
いやプロだからなのか、まだ彼にこの歌を唄って「しまえる」、何か、石みたいな塊がまだ彼の中に残ってくれているのかはわからないが、とにかく、泣いてしまうほど素晴らしいできだった。演出も好かった。
SENSEやなんたらオレンジっていうアルバムの歌からは想像も出来ない歌詞が染み渡る。
「夢はなくとも 希望はなくとも 目の前の遥かな道を」
20年くらい前のregress or progressツアーで東京ドームで同じ歌を聴いたときのことを思い出した。
そのときと同じ気持ちになれた。なれちゃうのもどうなんだ、全然自慢にならないが、今、この曲が聴けてよかった。
悪いけど、そのあとの進化論はまったく入ってこなかったというか、成長しきってしまった歌をまざまざ聴かされて、一層、ポツネン度が増して、そういう意味で泣けたが。

さて。
あらあらあら、昔の歌ばかり褒めてますね、奥さん。それってやっぱり結局そういうことですかい、と、なりそうだけれども。
けれどもと、なるのが、今回のツアー、今回のアルバム。

senseのツアー、なんたらオレンジのツアー。あんまりまったく覚えてない。
そういう暗黒の時代、暗黒の前フリを経たせいかわからないが、今回のツアーが何度行ってもちゃんと感動するのは、何をおいても今回のアルバムの曲がちゃんと好いからだ。
蘇生ももちろんよかった。だけど、やっぱり、今はStarting Overの方が感動する。
Tommorow も innocentもよかったけど、ライブで聴くと流行歌、お祭り騒ぎしたいだけのファンに送るサービス曲にしか思えず、それよりfantasyや幻聴の方がのめりこんで聴けたし感動した。

皆さん、昔のミスチルはよかったよかったって言うけどさ、これを聴いてもまだやっぱり昔の曲の方がいいとおっしゃるのか?
最新アルバム曲だって、まったく引けをとらないでしょう?
という、ある意味、ケンカ腰のセットリストと、勝手にお見受けした。

好い最新曲に、更にダメ押しで昔の名曲をねじ込むような、そんな贅沢さ。
今、何度目かの、10年に一度くらいの再沸点に達している桜井和寿の歌のすばらしさを天才さを思い知らされる、おなかいっぱいになるツアーだ。
彼の加齢も加味すると次は20年後になるかもしれない。
あればいいけど。

そういう危機対策もかねて日産スタジアムも行く。これで打ち止め。
卒業式前、怒涛の告白ラッシュをしていた女子みたいに、あさっての方向にやけくそに、感動の渦へ一心不乱に溺れ死のうと思う。