誰かを、死んでくれないかとこんなにも呪ったことはない。
あの息子、発達遅滞のあの息子、あの子さえいなければ、私は幸せだったはずだ。
彼を好きなだけではだめなのだという。
あの息子も含めて彼なのだという。
彼はいつか息子が普通の生活が送れると信じている。
私の父にきいたら、それは単なる知恵遅れで、大人になってもあのままだといった。
父は娘がそんなところに嫁に行こうとしているのがショックだったようだ。
体中ガンだらけの父は。
父に反論できなかった私に、彼は失望したと、裏切られたと、思ったって言ってた。
好きになってごめんなさい。
甘くてごめんなさい。
私は大丈夫な気がしていたんだけど、あの息子をみたら、ぜんぜん大丈夫じゃなかった。
本当は小5だけど、小3くらいの能力だってきいてた。
ぜんぜん小3じゃない。あれは4、5歳だ。
一日中、一生、結局あの子の面倒を見るのは、妻になった私となるだろう。
それだけに人生がついやされると思うと、無理だ。
殺してしまうかもしれない。自分の子ではないから。
好きなだけではどうにもならない、なんてアホ臭いこと、ドラマの中だけだと思っておりました。すみません。
それに、彼も、子供を受け入れてくれないのであれば仕方ない、というテイだった。
所詮、とにかく私と一緒にいたい、というわけではないのだ。
私は、とにかく、あなたといたかっただけでした。
父が言いました。
お前は大学出てから、ただずっとツイてないだけだと。
だからこの先いいことが必ずあるはずだと。
なぁがっ。