こんなに君を好きだけど
明日さえ教えてやれないから
信号を渡って、このまま真っ直ぐいけば、一番会いたいきみに会える、という交差点で
足を緩め、目を凝らすと、行き交う人すべてがきみに見えてくる、すぐそのあとに、
きみをみつけられても、話しかけることはできないと、小さくため息をつく。
地下鉄の階段を下りる少し手前の瞬間。
毎日訪れるあの瞬間。甘く苦いあの瞬間。
あらゆる苦痛が、透明になる。
もう二度と会うことはないって、本当はもうわかっている。
なのに毎日会えていた頃と、きみという存在の役割は少しも変わらない。
変わらないけれど。