家中、少しひんやりしてるというのに、自分の部屋のドアを開けるとムっとする。
淀んでいる。
何万年掃除してない当然の結果。
「あんたから掃除好きをとったら何が残るのよ、最後の砦だったのに」
と、そういえば友は絶句していた。
せめてさわやかCM見て、お茶を濁して寝てしまおう。
好いCMだ。
あのままのあんな風景の中に、私は確かにいたことがある。
視線がぶつかってすれ違うあのせつない瞬間も、私は確かに知っていた。
こんな私でも一生懸命な想いというものを持っていたことがあった。
とうに砦は使い果たしていた。
あの頃なら、本望です。