fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

もやもやもやもやもやもやも

1000円払ってなんでこんな気分にならないといかんのか。

The_mist

ショーシャンク、グリーンマイルはここに誘い出すための甘い水だったのか。

後味悪し。悪いにもほどがある。

いえね、あたし、後味悪いの決して嫌いじゃないのよ。
「モンスター」(シャーリーズセロン)「嫌われ松子の一生」「SAW」「砂と霧の家」「アメリカンヒストリーX」
なんなら「グリーンマイル」だってラストの後味はすっきりしたもんじゃなかったよ。
ハッピーエンドばかりが人の世ではありませんから。
救いの手なんて、そこいらじゅうに転がってるもんでもないんだろうから。

しかしこの「ミスト」。“驚愕のラスト”。
あー、はい、確かに寸分違わず“驚愕”でしたよ。サーっと、鳥肌も実りましたよ。

でもエンドロール中、ちょっと考えを巡らす。
スクリーンの中の霧が晴れた途端、あたしの頭の中で濃霧が発生する。
あ?え?ちょっっちょっちょっまてよ!byホリのキムタクも出てくる。

なんであの女の人、助かってん?
あ、そうか、本当の勇気ある人間てことか?
「地獄に堕ちろ」通りになったってか?
じゃあ、あの主人公だってかなり勇気あるし、他人のために命がけだったぞ?
てことはだよ、あのマーケットに残った狂人たちは助かったってことだよな。
なんでよ。
助かる助からないの境界線が統一されてない。
悪も善も右も左もないってことなのか?
助かるも助からないも、これまでの行いうんぬんとかそういうのは関係なく、運次第ってことか?
こんな大そうな映画で、そんなことが言いたかったのか?

本当に恐ろしくて面白かったのよ、この映画。
ラスト、霧の中からあれが出てくるまでは。

得体の知れない怪物の恐怖。
その恐怖に慄く人たちの前に、これまでいかれた狂人とされていた人間が、
ここぞとばかり聖書を掲げ“自分は神”と名乗り、恐怖に慄く人たちを扇動してゆく。
やがて人間たちが怪物と化してゆく。
ここの場面は、もう、怖くて怖くて泣いたよ。

怪物は“神”に危害を加えず、“神”を裁いた人間が怪物によって抹殺される。
ここもわかるよ。

ラスト直前。老年の男女、女性、子供、そして主人公。
こうするしかなかったのだろう、いや、そうだろうか。
「僕を怪物に殺させないで」という我が子との約束を守った果てと考えれば。
けれどそれはやはり許されない行為だったのだろうか。
絶望の淵、霧の中で、主人公が両手を広げる。
「怪物、現れろ」と。

ここで終わればいいじゃん。
霧の中から、何が出ようと、もう十分、いろいろ考えさせられたって。

出てくる?あれ、出てきちゃう。
じゃあ出てきたとして、なんで最初のあの女が助かってんだ?

ほらやっぱり納得できない。

だから結局ここに至る。

とどのつまり人生なんて
善で歩いたって必ず救いがあるわけじゃないし、
悪で歩いたって必ず報いがあるわけじゃない。
最後は、運ひとつなのさ。
馬鹿らしいから、好き勝手に楽しくどうぞ生きようぜ。

ダラボンちゃん。
今回のことは、大目にみちゃる。
なかったことにしちゃる。
こんなオイタ、二度としちゃだめよ。