fake_BOOTLEG

everywhere I'll go

―死なないで。

そうさ 美しい死なんてあるもんか
死ぬってことは この体を傷つけるってことなんだ
壊すってことなんだ
そうさ 俺はこの体を壊しに行くんだ

10_y

人は人を恨み怒り裁いて罰を与えようとする
怒りに身を委ね行動することは実はそれほど困難なことではない
人間にとって最も困難なことそれは他者をそして自分を許すことなのだ
その先にこそ調和があると知りながらも人は許すことがなかなか出来ない
誰もが自分の内側に黒いものを抱えている
誰かを傷つけることもある
罪を犯すことも
悲しみに打ちひしがれることもあるだろう
だがその同じ人間が純粋に愛を求めることがある
本当の愛を手に入れたいのならば
許すことを知りなさい
他者を
そして自らを

11_y 

そうさ
俺は俺の体を壊すんだ

「弱い人間は消えていけばいいんだ」

弱くたっていいじゃねぇか。
弱くたって構わねぇからさ、生きてて欲しかったんだよ。
喜多さんは死なないでくれよ。
なぁ、生きててくれよ。

11_y_h

終わるはずだった俺の明日がまた始まった
数えるには多過ぎるほどの明日が
悲しい明日もあるかもしれない
だけど
笑える明日もきっとあるような
そんな気がするんだ

ラストシーン。
リュックを背負った善男の歩く先にいるのは、照れくさそうに手を振る平太。
足を速めて歩みよる善男の満面の笑顔が忘れられない。

ただひとつ、ただひとり、あればいい。
明日を迎える理由が。
あしたの自分を待っていてくれる人が。